2005年12月24日

クリスマス・イブ(聖夜)は、日本で言えば大晦日のようなものなので、店は昼で閉じられ、町はひっそりと静まり返っています。ジョギングをするにも人通りがなく、車も少ないので走りやすいのです。会社が繁忙期なので、3日間の休みはほんとうに貴重であります。ただし悲しいかな人間は習性の動物なので、休みなのにいつも起床する6時になると自動的に目が覚めてしまいます。講演の原稿はだいぶ進みました。

日本と違ってドイツの新聞記者は、長文の原稿が書けなくては評価されません。ドイツの新聞を読んでいると、日本の新聞では絶対に読めないような、「面白い」ストーリーが載っています。Frankfurter Allgemeine紙は、最近Mark Simonesという記者を中国特派員として北京に送りましたが、彼は中国のUwe Schmittです。昨日も文芸欄に、この記者が書いたMann im Kaefig(檻に入れられた男)という記事が載っていましたが、まるでカフカの小説でも読んでいるような、それでいてユーモアと悲しさを含んだ「読ませる」ストーリーでした。しかも中国の人権問題、貧富の拡大、現代に生きる迷信と拝金主義など、今日の中国が抱える様々な問題が切り取られています。

どうしてこういう記事は、日本の新聞では読めないのでしょうか。

私がNHKで記者として働いている時、特ダネ情報を取ってくる記者が評価され、原稿を書く記者はあまり尊敬されないような傾向がありました。NHKも含めて日本のマスコミには、「字にならない」面白い情報が、「夜回り帖」の中に埋もれて、国民の目に触れることなく塩漬けになっています。

しかし、長い記事を書くには、ある程度量を書くことが必要だと思います。